『大正野郎』山田芳裕

作者は『へげうもの』で有名。
昭和の時代に大正浪漫への憧れを持つ主人公の物語。

主人公平徹は、東京の大学生。
大正浪漫にかぶれ、芥川龍之介が愛読書。
浅草の一軒家の2階に間借りする下宿人。
もう一人間借りしている友人、佐山二郎
佐山は、平とは違いチャラい、女友達(彼女)が何人もいる。
そして一軒家の娘、山田由紀
この3人が何気ない日常を展開する物語。

他人の一軒家に下宿する。
他人ではないけれど、下宿人が登場するアニメでは『コボちゃん』の竹男オジサン。
ちょっと違うけど、『めぞん一刻』も昭和を代表する生活スタイル。
今では考えられないが、昭和では普通だった。

このマンガかなりおもしろいです。
大正の妙なポリシーや価値観を持つため、昭和を生きている友人には理解されがたい存在。
それでも信念を曲げず、己が善いという道を進む。
時代や友人との齟齬が笑える作品。
ある意味では熱血マンガかもしれない。

平と佐山は、大正と昭和を対比させた存在として描かれている。
ここに由紀という登場人物が物語の中和的存在となる。
大正と昭和を共に行き来する存在。
平と佐山の両方の意見を勘案できるハイブリット。

記事ではどこかカタイ物語に思えるかもしれない。
しかしそんなこともなく、はっきり言うとギャグマンガの部類である。
大正の信念を高らかに謳う平の言動に、昭和を生きる人に総スカンをくらう。

だから、おもしろい。

大正時代は良い時代だというイメージが強い。
庶民にも西洋文化を享受する生活が根付いていく。

ハイカラで、モガで。

『はいからさんが通る』『サクラ大戦』も大(太)正時代。